■Pixia ver.4

当初のPixiaのコンセプトは

・高機能ではないこと。
・ペイントソフトとしてプレーンなものであること。
・新しいユーザーの入り口として常に変わらないこと。

でした。

それに沿って、Pixiaは、1998年に誕生し、公開して以来、ほぼ画面や機能を変えないまま、
10年が経過しました。

バージョンアップのたびに、コロコロと画面が変わってしまっては、
初心者が覚える前に画面構成やメニュー構成が変わっては、混乱してしまいます。

ご自身のホームページでチュートリアルを公開している人も、困ってしまいますよね。
『げ、また画面変わった・・』って(^^;

ユーザー様のホームページのサイトチュートリアルや、書籍の解説なども、
いつまでも参考になるものであってほしかったからです。

WordやExcelで、バージョン違いの参考書を買ってしまって困ることありますよね。
ソフトが変わっても、それを使う人は、そうそう変わる必要はないはず、という考えもあります。

一般にソフトウェアのバージョンアップは、「画面ががらりと変わること」
が当たり前に思われているように感じますが、そんなことが常識とは僕は思っていません。

画面を変えなくても長年使ってもらえると信じています。
画面を変えること、無意味に機能を増やすことが、どれだけのユーザーにメリットを
もたらすのか非常に疑問を持っていました。

10年間、新しいOSへの対応や、既存機能のブラッシュアップのみで続けてきました。
「この仕様では使いにくい」とわかっていても、そのままを貫きました。
「変わらないこと」は1つの長所だと思ってやってきました。

僕の根底にある考え方は、
ソフトウェアの長所は、ソフトウェアそのものにあるのではなく、ソフトウェアの環境にある。
ということです。

例をあげれば、テニスのラケットがあるとしましょう。いくら高級で高価なラケットであっても、
そこに仲間や仲間が集まる【場】がなければ、何の意味もありません。

Pixiaとはソフトウェアの名前ではありません。【場】の名前です。

ソフトウェアとしてのPixiaは10年間、変えずにやってきた。
それでもユーザーがついてきてくれた。
うれしいことです。

今でもたくさんのユーザーがホームページでPixiaのチュートリアルを紹介していますが、
ほとんどは、初代Pixia〜Pixia ver.4.xに適用できるものです。
ですので、今からPixiaを始めたい人には、ver.4をオススメします。
チュートリアルや参考になるサイトが増えてきたらver.5に乗り換えればいいのではないでしょうか。



■Pixia ver.5
そうはいっても、年々、ソフトウェアをとりまく環境は変化していきます。
また、いくら10年続いているPixiaでも、このままの仕様であと10年使ってもらえるのかという心配もあります。

初代Pixiaを公開したとき、僕が開発に使っていたPCの画面は800x600ピクセルでした。
初代Pixiaは640x480ピクセルの画面でも動作するように設計しました。

「ソフトウェアの仕様を変えない」と信念を持っていても、周辺の状況はどんどん
変わっていきます。640x480ピクセルの画面と、1280x1024ピクセルの画面では、
もはや考え方の根底も変わります。

また、「機能を増やさない」と決めていても、
その信念が足かせになってソフトウェアが進化しないようでは本末転倒です。

Pixia(〜ver.4)をユーザー向けメインソフトウェアとしながらも、
数年前から、A/PIXIA→Phierhaと、名前を変えながら新しい次の世代のPixiaを模索してきました。

しかし、結局、Pixiaに勝てる後継ソフトウェアはできませんでした。

機能を増やしたところでユーザーは乗り換えない。画面を変えてもユーザーは乗り換えない。
ソフトの善し悪しは機能の数ではないのです。
つまり、A/PIXIAやPhiehraの失敗が、ユーザーが求めるのは機能の数ではないことを証明しました。

何年も考え続けた結果が、今のPixia ver.5です。
(海外ではPhierhaの名前で公開しています)。

やっと気づいたのは、「ソフトウェアを取り巻く環境に合わせる」という進化です。
いくら無駄に機能を増やしてもユーザーは喜ばない。受け入れない。
ソフトウェアの評価は機能の数でおこなわれるべきものではありません。

できれば、徐々にver.5に移行できればと思っています。
ver.4は従来通り、機能強化はおこないません。新OSへの対応など、今までどおりの
改変は加えるかもしれませんが、その程度です。
今、次のステップに向かうPixiaとして考えているのは、あくまでもver.5です。

ですから、これからホームページでチュートリアルを作ってくださる方がいましたら、
ぜひ、ver.5でお願いしたいと思います。